Kindleの読み方-Amazon Kindleを使って重要部分の引用を可能にする


本好きの悩みを解決してくれるKindleの利点


本を読む楽しみは,同時に,読んだ本の収納場所に難儀するという苦しみを伴います。職業的に本を読むことを強いられる学生,執筆家,研究者たちにとって,本の整理と収納を効率的にすることは,読書と執筆に劣らず重要な課題となります。

その点をほぼ解決してくれるのが,Kindleでしょう。収納スペースを一切とらない上に,携帯用のパソコンとかスマートフォンなどがあれば,どこにでも持ち歩くことができます。したがって,通勤中でも,立ったままでも,読書をすることができます。たとえ,読書の途中で,Kindleを閉じることがあっても,もう一度読むときは,その読みかけた箇所に戻ってくれます。

Kindleの利点は,それにとどまりません。その本に出てくるすべての用語を検索することができますし,日本語,外国語の単語も,カーソルを当てるとか,右クリックするだけで,自動的に辞書を引いて,その意味を教えてくれます。特に,外国語の本を読むときは,非常に便利です。また,普通の本の場合だと,注を読むのは面倒ですし,注を読んでいると,もとの本文に戻れなくなるおそれがあります。しかしKindleの場合には,注を読むのも,カーソルを当てるなり,右クリックするだけでよく,すぐに注の箇所に飛んでいくし,注を読み終われば,すぐにもとの本文に帰ってくれます。

さらに,Kindleの場合には,4色のマーカーや,付箋を用意する必要がありません。本を読んでいて,チェックすべき箇所があれば,ドラッグするだけで,4色のマークをつけることができますし,気づいたことをその箇所にノートとして書き込むこともできできるからです。


Kindleのデメリットと思われてきた問題点とその解決策


良いこと尽くめのKindleですが,私は,最近まで,本文を引用するに際しては,Kindleにも,大きな欠点があると考えていました。

もちろん,自分で書いたノート部分は,テキスト文なので,自分で引用できるのですが,Kindleの本文や,マーカーを引いた重要箇所については,自分が書いている文章や論文に,簡単にコピーして引用することができないと思っていたからです。

しかし,何事にも解決策はあるというのが正解のようです。うまい解決法はないものかと,Googleで検索してみると,「Kindle本のハイライト箇所一覧をEvernoteに読書メモとして保存する方法」という記事のほか,たくさんの有用な記事が見つかりました。

この記事にしたがって, Amazon Kindle にアクセスし,自分のAmazonのIDとパスワードでログインすると,ヘッダーに,Your Booksという項目が現れます。そこで,その部分をクリックすると,自分が購入した本の一覧が示されます。その中から,自分が引用したい本をクリックして,ヘッダーのYour Highlightsをクリックすると,自分のマークした部分,および,自分のノートがテキスト文で表示されます。

この機能を使うと,読んだ本の重要部分がテキスト文となって表示されるので,自分の書いている文章や論文に簡単に引用することができます。これで,これまでKindleの数少ない欠点と思われてきた問題が解消することになりました。


Amazon Kindle を使った本の読み方,引用の仕方


Kindleで読んだ本の重要部分(マーカーをつけた部分)を自分の書いている文章に簡単に引用する手順をまとめて示すことにしましょう。

第1に,Kindleで本を読み,重要だと思う箇所にマークをつけ,気づいた点をノートに書き込んでおきましょう。

第2に,Amazon Kindle にアクセスし,アマゾンのIDとパスワードでログインします。ヘッダーのYour Books をクリックして,読んだ本を選択し,ヘッダーのYour Highlightsをクリックすると,自分のマーカーとノートが一覧で示されます。

第3に,マーカー部分,または,ノート部分をコピーし,自分の書いている文章にペーストします。これで,Kindleで読んだ本の重要部分の引用が完了します。

このようにして,好きな本や必要な本をKindleで読む際に,重要な箇所にマーカーをすると同時に,自分が書く文章や論文に,「どのような観点から引用するのか」をノートに記録しながらマーカーを使って本を読むと,読み終わった後に,その本の書評や,引用作業が非常に楽にできるようになります。

そんなわけで,Kindleで本を読むときは, Amazon Kindle を併用されることをお勧めします。本の読み方が,自然と深くなり,後々の仕事を効率的に進めることができるようになると思うからです。